2019年秋:ムンバイ・ドバイ旅行記 (3)

==ムンバイ・その3==

【今回の、その瞬間】

招かれたファンは600人らしい。カレッジの講堂は定員811名(サイト調べ)、前方はファンというよりメディア関係の人が入っているようだったが、ユニバースの各支部も中央の良い席に案内してもらい、一昨年のように椅子が無くて焦るということもなく快適だった。

(まだ人が少なかったときの座席から)
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17時半頃にはスタートしたと思うが、ちょうどその頃マンナットではお出ましが。また今年も見逃してしまったけれど、お手振り目撃かミーグリか、という二択だから仕方がない。渾身の、でもどこか微笑ましいファンのパフォーマンスを眺めつつご本尊の登場を待つこと1時間程で、主要映画をチョイスした紹介映像が流れて(一昨年はJHMSがまるで無かったりで偏りがあったが、今回はヒット/フロップ関係なくまんべんなく入っていた。アリヤン君の友達に頼んで編集してもらったそうである)、グラサンに黒革ジャン、ジーンズのキングが舞台に現れた。

盛り上がるだけ盛り上がってからの登場だからもっとワーッ!となってしかるべきなんだろうが、なぜかいつも「あ、いたんだ…」とそのひっそり感というかさりげなさで気づくのがふた呼吸ほど遅れる。オーラが無い訳では決してない。ただ、その場の空気を自分の存在で強引に変えるというよりも、その場の空気にさらっと入り込むのが上手い人なんじゃないかと思う。

さりげなくファンの熱狂の渦の中に入り込んできた彼は、最初からここにいたかのように空気に馴染み、ごく自然な態度でファンとコミュニケーションをとり始めた。フライングでバースデーソングを叫び出したファンのせいで段取りが狂っても動じず、アピールしたくて喋りまくるファンには「あのな、日頃はあれだけ僕に『喋れ、喋れ』言うときながら、いざ僕が喋ると割り込んでくるんかい!」と大阪弁で訳したくなるようなツッコミを(ヒンディー語)でびしっと返したりする様が堂に入っていて、『息をするだけで人が反応する』といみじくもレターマン氏が言っていた通り、もう一挙手一投足から目が離せなくなっていた。

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会話はヒンディー語が多いので、なんとなく雰囲気で流れを把握するしかなかったが、ファンからの質問コーナー(は、いかにも会場全体から希望者を募っているように見せかけていたが、実は前もって決められた質問者がカードを首からぶら下げていて、その人を当てる仕組みになっていた。そのカラクリを知っているのはすんでのところでその質問者に推薦されかけたからである)では、質問者の名前を必ず聞いて、呼びかけながら答えてくれるあたりが優しい。

*隣に座っていたオーストリア支部長さんは料理のレパートリーを質問。キングの応えはレターマン・ショーと同じ感じだったと思う

*直近の火事騒ぎ(バッチャン家のディワリ・パーティにて、アイシュのマネージャーさんのドレスに火がついたのをキングが自分の上着を脱いで消し止めたという話)を尋ねたファンもいて、それには「プライベートなことだから話したくないけど彼女は無事だよ」と答えていたようだ(後で知った)

印象に残ったのは(たまたま英語だったから耳に残ったのだが)「Losing is not an option(負けは選択肢ではない)」という言葉。お土産グッズのノートにも「成功しなかったら、成功を再定義しよう」という文言が入っていて、負けず嫌いなキングが以前からよく使ってはいたものの、ZEROの後、この言葉で他人を励ませるまで長かったんじゃないかな、しんどかったんじゃないかな、と勝手にしんみりした。

未だに次回作を決められないという状況にも、しんどさが表れているような気がする。自分ではどうすることも出来ない部分でハードワークが水泡に帰す体験を繰り返すと、もうここまでやったんだから後は家族に専念していいんじゃないかと彼が思ったとしても仕方がない(お姉さんが闘病中という話もあるし)。

それでも「シャー・ルク・カーン」という神話を最後まで紡ぐために、彼はここにいてくれる。ファンの言葉に丁寧すぎるほど丁寧に返答し、誕生日を祝われることに対して本当に感謝してみせてくれる。その姿を今年も目の当たりに出来て良かったと思う。

ちなみにイベントの最後には、今年も集合写真が撮れる機会を設けてくれていて、ちゃっかり同じフレームに収まってはきたが、ほんの数秒でも濃厚な圧を感じた前2回に比べると、なんだか今年はハグとか握手とかしちゃいけないような、もちろん「寄るな」という拒絶オーラではなくて、触れたら壊れるからそっと見守ってな、的な何かがあって遠慮がちになってしまった。

*徹夜して駆け付けた、とかいう必死さはなくとも一応はるばるやって来てんのにもっと積極的にいかなアカンやん!エクボ触るんと違うかったんかい自分!と最初は少し悔やんだが、色々な写真をみると、手に例の騒ぎでの火傷の跡があったりで、文字通り触れたらアカンかったんやな、と納得した。

(テーブルセッティングなども率先して自分でやっていたあたりのマメさも好きです)
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